2019年5月14日火曜日

4月21日(日)『ハムレット』読書会開催レポート


4月21日(日)10:3012:00
日比谷図書館内 ライブラリーショップ&カフェ日比谷にて
参加者6名

今回の課題本は『ハムレット』。幾度となく翻訳され、演じられてきたこの作品。
その魅力について語り合いました。



『ハムレット』のあらすじ

弟に毒殺されたデンマーク王の亡霊が王子ハムレットに真相を告げ復讐を迫る。苦悩しながらも復讐を遂げ、自らも毒刃に倒れるハムレット―古くから伝わる復讐譚が、精妙な劇的構造のもとに近代的な心理悲劇に生れ変わった。世界中で愛読され繰り返し上演されてきた、詩人の代表作。悩める主人公の姿は、読む者の鏡でもある。
(「BOOK」データベースより)



読んだ感想

・今に通じる教訓が多くて驚いた
・初めて読んだときは怖かったが、改めて読んだらユーモアがあり面白かった
・テンポがよく、意外と読みやすい
・理性的な部分と、衝動で話が進む部分の対比が面白い(ドリフみたい)
・ハムレットの優柔不断さが際立っている

古典でしかも戯曲というと読み辛そうなイメージですが、セリフの応酬が面白く、コントのような喜劇的場面もあり、読むのが初めての方々も楽しめたようです。

今回読むのが2回目というお二人は、初回と印象が変わったという意見でした。さらに何回も読んでいる方は読むたびにフォーカスするところが変わるので、何度読んでも面白いとおっしゃっていました。様々な視点から何度でも楽しめるのがハムレットの魅力のひとつのようです。


印象的だった場面

・決闘の場面
・「生か死かそれが問題だ」
・ボローニアス殺害のシーン
・ラストにフォーティンブラスが出てくるところ

決闘の場面は思わず面白く感じてしまうほどの怒涛の展開が印象に残ります。
初めて読んだ方からは、「生か死かそれが問題だ」という有名なセリフがどのような場面で使われているのか知ることができてよかった、という感想がありました。そして「To be,  or not to be」読み方役者バトルの動画があるという素晴らしい情報もいただきました!あのカンバーバッチも出演しているらしいです。


話しているうちにハムレットの幼さ、愚かさに話がスライドしていきます。
王子になりきれず、母を奪われた怒りに囚われていたことがボローニアスの死に繋がり、オフィーリアへの態度にも飛び火し、次々と悲劇が起こります。どうしたらこの悲劇を防ぐことができたのか、自分だったらどうするか、様々な意見が出ました。

・王子になってから王を殺す(もっと作戦を練るべきだった)
・王になぜ母と結婚したのか直接聞く
・オフィーリアに相談
・レアティーズが近くにいれば悲劇は起きなかった
・一旦海外に逃げる

いずれにしてもハムレットがもっと冷静になれれば悲劇は防げたのかもしれません。でも人は常に冷静でいられるわけでもないし、常に正しい選択をし続けることも不可能です。そんな人間的な弱さが共感を呼ぶ魅力となり、世界で演じ続けられているのではないでしょうか。



ここで時間になりハムレット読書会はお開きとなりましたが、ランチ後に皆でハムレットを朗読し、最後までハムレットを満喫できる読書会でした!

皆さんありがとうございました!

文:niku